ADHDの薬 ストラテラを飲み始めて変化した子どもの行動

  • 2019.03.09
ADHDの薬 ストラテラを飲み始めて変化した子どもの行動

この記事は、発達障害の子どもに薬を飲ませることでのどんな変化が起こるのかを知りたいと思っているお母さんに向けての記事になります。
 
この記事では

 
・ストラテラを飲み始めてからの子どもの実際の変化について
・ストラテラを飲んでも変わらなかったこと
・薬を飲み続けることについての子供本人の反応
  
について書いています。
 
ストラテラを飲み始めたことで周囲が感じた効果、と、薬を飲み続けることについて本人が感じていたことを記事にしています。

ADHDの薬、ストラテラを飲んで子供に見え始めた薬の効果

 
 
息子が飲んでいたストラテラの薬の量は、春休み中に、最小量の0.5mg/kgからスタートしました。
3週間、薬を飲んでみて息子には特に副作用は見られませんでした。
そして、始業式の前にストラテラの量を、0.8mg/kg に増やして新学期をスタートしました。
  
始業式で担任の先生は、2年生の時と同じだということがわかりました。 
さらに、現在息子の通っている小学校は、規模が小さいので一学年1クラスしかありません。
 
つまり、息子が3年生になった時の学校の環境は、教室の位置が変わった事くらいで、大きな変化はなくスタートしました。  
  
この時、担任の先生が2年生の時と同じだった事について、息子がとても喜んでいました。
転校して5ヶ月。
いつの間にか、担任の先生にとても懐いていたようです。
 
学校で、息子が信頼できる大人がいる事に、私もほっとしました。
   
  
学年が変わって2ヶ月ほど経った頃、3年生になってからの様子の報告と、これからの対応の仕方について担任の先生と相談しました。

「薬の効果は歴然ですね」

これはその相談の時の、小学校の担任の先生の言葉です。

 

ストラテラを飲み始めて子供に現れた変化は、ほとんどが学校生活

     

「学年が変わったこともあると思いますが、授業中に机の下に潜り込むことがなくなりました。あとは、イラッとする部分でも、グッと我慢する姿が見えるようになりました。」
 
「たまに嫌なことや気に入らないことがあった時には、保健室やトイレにこもって落ち着くまで、じっと一人でいる時間を作るようになりました。みていると自分を落ち着かせることができる場所を探しているような感じです。落ち着けば、その後は何もなかったかのように過ごしているのでうまく気持ちをコントロールするようになってきているのかと思います。」
  
「どうしても、出てこれない時は、一番仲のいい子が迎えに行く時もあります。」
 
『友達とは仲良くできているのでしょうか?』
 
「時々、衝突もありますが、これは通常の子どもの喧嘩の範囲で、手が出ると言うことはないので普通の範囲内だと思います。」
 
「優しい部分もあって、給食の時に、重たいものを運ぶのを女の子と交代したりもしていますよ。もともと優しい部分がたくさんあるのに、カッとした時の衝動的な部分の方に目が行きがちで見落とされていた部分が表に出るようになったと思います。」  
 
担任の先生の評価では、ストラテラを飲み始めて、息子の学校生活は安定したみたいです。

学校生活が安定したので、ストラテラの容量は1.2mg/kgでキープ

 
担任の先生と特殊学級の先生と私。
3人での相談会は、5月の次に夏休みの後の8月、冬休み前の12月と情報交換を行いました。
 
『家では、あんまり変化があるようには見えないのですが、学校ではずいぶん頑張っているみたいですね。ちょっと食欲が落ちたかなと言う印象がありますが、給食はどうですか?』
 
「給食は普通に残さず食べていますね。おかわりもしていますよ。」
 
『では、あまり心配しなくても大丈夫そうですね。』
 
「そうですね、授業面ではみんなの前に立って発表することが相変わらず苦手です。後、図工で絵を描いたのですが、廊下に飾ることを断固拒否したので、一番上の一番端っこで見えにくい場所ならいい?と聞いて、一番上に張り出しています。やっぱりみんなに見られることを極端に嫌いますね。なにかトラウマがあるのでしょうか?」
 
『さあ〜、何かあったかどうかはここまで聞いたことはないので、大人の知らない場所で、子ども同士だけで何かあったか、本能的なものなのか・・・ちょっとわからないです。そういえば、二年生の時も、夏休みの自由工作を展示するのを拒絶して、やった証拠として、担任の先生にだけ見せていたので二年生の時点ではもう嫌がっていました。』
 
『多分、自身のなさがそのまま現れているのだと思います。画用紙に目一杯大きく絵を描くこともなく、自分の顔を描いても笑っていないので・・・心理的な部分だと思います。』
  
「わかりました、無理はさせないように様子を見てゆきましょう」
 
 
実は『どうせ僕なんか』が少し前までの息子の口癖。
 
学校生活が落ち着いてきて、かなり頻度は減ってきたと感じました。
学校生活が落ち着いてきたのは、少しは自分にもできることがあると感じられるようになってきたからかもしれないと思いました。

 

ストラテラを飲み始めても、集中力の短さは健在でした

 
「授業中はしっかり45分間座っていられるようになりましたよ。頑張っているのですが、理解についてはここにきてちょっと大変になってきていると思います。特に算数が難しくなってきているので、途中で考えることを放棄してしまいます。椅子には座っているのですが、先生が離れるとぼーっと空を見ているんですね。担任一人にずっとついていることはできないので、算数と国語については、特殊学級での個別指導にしようと思うのですが・・・」
 
『ぜひお願いします。あの子は1対1の方が絶対にいいと思います。1対大勢の時は、話をしている人の話を聞いていないような気がします。どこか右斜め上の方向を見ていて、妄想の世界に入っていますよね。というか、前の小学校でも、授業にならないので、別の教室で教えてもらっていましたよ。』
  
「あら!え?そうなんですね、わかりました。実は本人に提案した時には「お母さんに怒られるから普通のとこにいる」と言っていたので・・・」
 
『ん?え?私はそんなこと一言も言っていないのですが・・・??どこでそう思ったのでしょうか?別に本人が楽〜に、実生活に必要なことを身に着けられればいいので、国語算数に限らず、全部でもいいですよ。友達とは、休み時間も、放課後も目一杯遊んでいるみたいなので』 
 
と言うわけで、3年生三学期から、特定の授業についてはみんなとは別のクラスで、ほぼ1対1で学ぶことになりました。
 
ほぼ1対1の理由は、特殊学級のクラスには他にも教科ごとに個別指導になっている子どもがいるので、完全な1対1ではないのです。
そして、他の学年の子もいます。
  
通常の教室と異なるのは、ちょっとした仕切りで机が区切られているので、子どもたちが座るとそれぞれの机が見えないようになっています。
  
特殊クラスでは、隣の子が気にならない環境が作られていました。
 
こうして息子の集中力は、環境調整を行なって補強することになったのです。  

ところでストラテラを飲んでいた息子本人はどう思っていたのか?

 

息子はストラテラを、朝晩二回に分けて飲んでしました。
  
ストラテラはすぐに効いてくるわけではなく、飲み続けることで効果がじわじわと出てくる薬です。
そのため、毎日欠かさず飲むように気をつけていました。
 
飲み始めた最初のうちはおとなしく飲んでいましたが、飲み続けていると 
 
「薬飲むのめんどくさい」
「なんで薬飲まなきゃいけないの?」
「なんの薬?」(←頭の良くなる薬と答えていました)

と文句を言うようになってゆきました。
 
普通の病院で処方される薬は、ほとんどが1週間飲んだら終わりの薬です。
ところがストラテラは飲み始めてから、量は変わってもずっと飲んでいます。
子どもながらに本人も、一体いつまで飲むんだ?と疑問を持ったみたいです。
   
 
上でも書いていますが、ストラテラの薬の容量は、徐々に増やしましたが、最大までは上げないでキープしていました。
 
息子が、衝動的に手を出すのを我慢できて、落ち着いていたのが理由です。

その状態で約1年間様子を見ていました。
  

ストラテラを飲み始めての主な変化は、学校生活で大きなトラブルを起こすことなく過ごせていたこと、この一言に尽きると思います。

本人が、薬をめんどくさいと言い始めるようになってからは飲み忘れたり、わざと飲まなかったりすることが増えました。
だんだん息子の意思で、きちんと飲まなくなってゆきました。
  
そのため、学年も上がったし、今の状態ならちょっとずつ、薬を飲むのをやめてもいいかな~と私は考え始めていました。
  
薬の効果もあって、息子自身が成長して自分でできることを認識してきていたからです。
薬なしでも、感情コントロールができるように、練習も必要だからと思っていました。 
 
そんな風に考えていたら、これまでで最大級にビックリする事件が起こりました。