ADHD(発達障害)で子供に薬、ストラテラを飲ませるかどうか、私が思うこと

  • 2019.03.08
ADHD(発達障害)で子供に薬、ストラテラを飲ませるかどうか、私が思うこと

この記事は、発達障害と診断されたお子さんに、薬を使うかどうかを迷っているお母さんに向けて書いています。

 
この記事では
 
・最初に医師に薬の服用を提案された状況
・子供に薬を飲ませることを受け入れた理由
・子どもに薬を飲ませることの考え方
  
を具体的に話します。 
 
お子さんに、薬を飲ませるかどうか迷うのは、副作用が心配、薬漬けになったらどうしよう、薬を飲むと周囲の目が気になる、薬を飲むと発達障害を認めてしまうことになる。
など、この記事にたどり着いたお母さんには、それぞれに悩む理由があると思います。
  
お子さんに薬を飲ませれば、周りは楽になる可能性はとても高いです。
 
それでも、お子さんに薬をのませることを迷うのは、薬を飲むことで起こる変化について、本当にお子さんのことを心配しているからですよね。
  
 
だからこそ、この記事を読むと、薬に対する考え方を変えてもらえると思います。
  
お子さんに、薬を飲ませるかどうかを迷っていても、必ずあなた自身の答えが見つかります。
 
 

小学3年生~ADHDに薬 ストラテラの服用を開始

 
  
 
ご存知かもしれませんが、発達障害に使える薬は、現在日本では3種類あります。
息子は、3種類の薬について、すべてを試しています。
 
今回は、一番最初に処方された薬ストラテラの服用までと、服用後の息子の変化についてを母親である私の視点で気がついたことを書いてゆきます。
 
 

発達障害の薬、ストラテラを飲むことを医師から提案されるまで

  
 
息子は一番最初、本当に初めての初診の場で主治医の先生にADHDの薬の服用を勧められました。
 
主治医の先生が、息子に早々に薬の服用を勧めた理由。
その理由は、息子の症状は最も強く衝動性が出ていたからです。
  
息子は、感情が揺れ動くと、すぐに手が出てしまう。
嬉しくても、人にドン!とぶつかってしまうし、気に入らなければ叩いてしまう。
  
嬉しい時、楽しい時、嫌な時、怒った時。
どんな時でも、感情を表現する行動が衝動的になってしまい、とても危うい状態でした。
   
実際に、喜んで飛びついてくるのはいいけれど、その勢いが強すぎて飛びつかれた大人が転んでしまうことも多々ありました。
 
本人には悪気は無くても、もしかしたら相手に怪我をさせてしまうかもしれない。
その可能性がとても高かったので、主治医の先生は薬を飲むことを急がせたのだと思います。
 
 

子供にストラテラを飲ませることをあっさり受け入れる

 
※息子が発達障害専門外来の初診を受けた小学校2年生の当時は、選べる薬は今より一つ少なくて、2種類でした。 
 
 
「発達障害に使える薬は2種類で、ストラテラとコンサータがあります。どちらも効果は実証されていますが、現在のお子さんの状態を考えると私のおすすめは、ストラテラです。」
 
と主治医の先生が説明を始めてくれました。 
  
「ストラテラは、連続して飲み続けることで効果が出てくるので、効果が出るまでに時間がかかります。対して、コンサータは、即効性があります。薬の効き方がストラテラとコンサータで違うので、効果の出方も違いますが、現状一番気になるのは、衝動性で、人やモノに対して、手が出てしまうのを抑えたいので、ストラテラの方がおすすめです。」
 
ここで、私は先生から薬のパンフレットを手渡されました。
 
「衝動性を抑える効果は、ストラテラの方が効果が高いです。コンサータは、衝動性の方に効果を示しやすいです。効果の程度を診て、途中で変更することももちろんできますので、まずはストラテラを飲んで様子を見てみようと思うのですがいかがでしょう?」
 
『はい、ストラテラを飲んでの様子を見てみます。よろしくお願いします。』
 
「あ、え?飲みますか?」
 
『はい、出来るだけ速やかに』

 目を見開く主治医の先生。
 
「・・・お母さん、すごいですね!」
 
『え?何がですか??』

「普通は皆さん、薬を飲むことについて最初はかなり躊躇うんですよ。まずお子さんが発達障害ということを受け入れられていないので。薬は使わないほうがいいと否定的で、使った方が本人が楽になるのにずっと使わないでいる方もいるんですよ。ある意味すごいチャレンジャーですね。」
 
そうなのか・・・うーん。
チャレンジするのは私、じゃなくて息子なんだよな。
 
と思う私。
 
息子は生まれた時から超健康優良児で、中耳炎が完治したあとは他に病気らしい病気をしていません。
健康体だから思い切ってチャレンジできる、というのはもちろんありました。
  
この時、未成年とはいえ神経に作用する効果のある薬を飲むかどうかの決定権が、本人ではなく親にあるのは確かに微妙だ、と思いました。
 

息子に発達障害の薬を使うことを親の私が承諾した理由

 
 
発達障害は、脳内で神経伝達がうまく働いていないことで症状が起こる病気。

だからこそ、薬の作用は向精神薬に似ていて、そんな薬を成長期の子供に使った時の副作用はとても気にはなりました。
   
それでも、私が薬を使うことを全くためらわなかったのは、息子の衝動性を一時的にでも抑えたい気持ちが強かったからです。
   
衝動的に手が出てしまった、その結果、もしも誰かを傷つけたら、相手はもちろん、やってしまった本人も絶対に傷つきます。
   
うっかり勢いで手が出てしまったそのすぐ後。
 
息子は「あ・・・」と言う顔をします。
そして「ごめんなさい・・・・」と泣きそうな顔で言います。
特に、楽しんでいた時に起こった時には、なんでやっちゃうんだろう?と言う顔です。 
 
その顔を知っていると、薬に頼らないのが必ずしも正解、だとは私には思えませんでした。
 
 
子供の頃は、楽しむことも、怒られることも、大人のルールは完全に無視して、自由気ままに出来る一生の中で唯一の時代。 
 
息子本人が、楽しく目一杯に子供時代を過ごせるように、私は息子に薬を飲ませることを選びました。 
   
 

発達障害の薬を子供に飲ませるかどうかについて

  
 
薬を飲んだ後の息子の変化は、学校生活に多く現れました。
   
「薬の効果は覿面ですね」と、実際の変化を評価してくれたのは担任の先生です。
担任の先生の連絡から見えたことは、息子が学校にいる間は可能な限り周囲に合わせようと努力している姿です。
     
逆に、家での息子の生活からは、あまり変化を感じませんでした。
 
でも、周りに人がいる場所での自分の行動について、息子なりに、学校は周りに合わせる場所、家は自分の自由にしていい場所、という感覚を持って過ごしているのかもしれないと思いました。
  
もちろん、あくまでも私の想像です。 
  
 
私は、発達障害の薬は、根本的な治療薬では無く、症状を緩やかにするためのものと考えています。
  
薬は、状況に応じて上手に使い分けて、発達障害の症状によって起こる「生きづらさ」を補うために使うと、とてもいいのかもしれないと思っています。
 
 

発達障害の薬はあくまでも、楽に生きることを体験するきっかけ

  
   
子供が薬を飲むと決めるのが親なら、きちんと子供が薬をやめるタイミングも作ることが大切だと思っています。
  
親が面倒見ている間は薬を使ってオブラートに包んだような生活で、自立した後はどうするかを自分で決めてね。
と言うこともできますが、私はそうならないように考えています。
    
そして、成長と同時に徐々に薬の手助けがなくても楽に生きられるように、薬だけでは無く、食べ物や、生活習慣を、ちょっとづつ変えています。
 
発達障害の薬は、飲み続けなければいけない薬ではありません。  
  
あなたがお子さんに、薬を飲ませるかを悩んだ時には「薬を飲むと何が子どもにとってプラスになるか」を第一に考えてみてください。
今のお子さんにとって、薬を使ってみたらどんな生活に変わるのか?
 
迷っている理由が、起こるかもしれない副作用や、周りの目を気にした対面的なことであるなら、なおさらもう一度、今のお子さんにとってプラスになるかをじっくりと考えてみてください。
 
 
ストラテラを飲んだことで、子どもに現れた変化については、次の記事で書きます。