ADHDの症状があっても、日常生活に困らないために子供に覚えて欲しいもの
- 2019.04.17
- 行動
桜の季節は、剣道の稽古の後にお花見にゆくのが毎年の恒例です。
今年も、
「剣道の後にお花見に行きたい!去年は買えなかったりんご飴を買うんだ!だからお花見にゆこう!」
と息子が言いました。
今年は、じいちゃんばあちゃんも一緒にゆく!と言い出したので、家族総出で夜桜鑑賞。
家族がみんなお花見に行くのは、息子にとっても初めての経験です。
いつもは食べ歩きだけのお花見でしたが、今回は桜の下にシートをひいて、のんびり過ごすお花見。
そんな中で、普通のことが普通にできるようになっている息子が確認できました。
ADHDの二時障害で日常の挨拶ができなかった子供が、自然に挨拶をするようになっていた!
「どうせ僕なんか・・・」ADHDと診断された頃の息子は、ADHDの二時障害と思える自己否定の塊。
初めての人、知らない人には面と向かって挨拶をすることができず、隠れてばかりいました。
それが2年前。
剣道の稽古が終わったのは19時半。
そこから歩いて、屋台で食べるものを買いながらお花見の場所まで移動していました。
最初に寄ったのは、息子の目的のりんご飴がある屋台。
息子は
「こんにちは、りんご飴ください。」
と言いました。
「うん、時間的に、こんばんわだぞ・・・」と、思わず横から突っ込んでしまった私。
飴屋のおじさんはニコニコ笑っていました。
「好きなの持っていっていいよ〜」
「ありがとう!!美味しそう〜」
屋台でのやりとりは、たったこれだけです。
これだけ、です。
本当に普通なことだけど、いつの間にか息子も、初めての人にも普通に挨拶ができるようになっていて。
自分が欲しいものを言うだけじゃなくて、挨拶付き、だったことに気がついて嬉しくなったのです。
ADHDって、本当に環境で変わるんだな〜と、しみじみと実感しました。
絶対に一人で行かなかった屋台に子供一人で買い物に行けるようになった!!
おじいちゃんから千円もらって、下駄を鳴らして走って行く、胴着に袴姿の息子の後ろ姿。
「やっと一人で買いに行くようになったなあ〜。」
声に出したのはおじいちゃんだけど、みんな同じことを考えていたらしい。
去年までは
「こんな格好(剣道後の袴姿)でその辺歩けるわけないじゃん!!」
と言っていたし、初めての人には話しかけられないから、一人では絶対に買い物に行けなかった。
成長した!その場にいた大人たちの心の声が聞こえた気がしました。
「何買ってくるか楽しみだ。」
と笑うじいちゃん。
しばらくして戻ってきた息子が、買ってきたのはチョコバナナとわたあめ。
うん、わたあめ。
そうか、うちの子はまだわたあめを買うんだ。
と私が思ったのは
「うちの子はやっと、わたあめに興味なくしたけど、わたあめって砂糖だけじゃん。ほとんど袋代としても500円て高いよね〜」
さっきまで、剣道場で練習終わるの待っていたお母さんが喋っていた内容を思い出したから。
行動面は成長していても、精神的な中身や好みは、まだまだちびっこに近いのな〜と思いました。
ギャップがちょっと面白いかもと思うことにしてみました。
トイレの惨状について・・・「ひどいね、ゴミは持ち帰りだよね」
1時間ほど、のんびり桜を楽しんで、帰宅。
駐車場までの途中で、できたばかりの新しいトイレに寄りました。
新しくできたばかり、水洗、便器も綺麗、トイレットペーパーもある、だけど・・・
床や、手洗い場の下がゴミだらけ!!
今回、お花見に行った会場には、ゴミ箱は置かれていないので、ゴミは各自でお持ち帰りです。
つまり、お持ち帰りしないでトイレに置いていってしまう人がいて、ゴミだらけのトイレの惨状が出来上がってしまっていたのです。
そのトイレに対する息子の反応。
「トイレは綺麗なのに、ひどいね。ゴミはゴミ箱へか持ち帰りだよね。」
うん、良く言った。
トイレの惨状は、ひどかったけれど、息子に良識がちゃんと身についていて良かった〜。
そこに気がつけてよかった〜と思うことにしてみました。
ADHDという病名に引っ張られてついつい、中身の成長が遅いことばかり気にしてしまいがちだけど、中身はゆっくりでもちゃんと成長している。
そうして、挨拶とか、気持ちよく過ごすためのマナーを、息子が普通に覚えていたことがわかって、嬉しかったです。
ADHDの症状を持っていても日常生活に困らなければ障害ではない。
知恵とか知識とか技術とか、確かにあったほうがいい。
多動性とか衝動性とか、目についてしまうことにばかり気にしてしまうけれど、普通のことが普通にできていることも、これから大人になったらとても大事。
うっかり、良識が落ちたままにならないように親の自分の行動も気をつけよう・・・
息子が一人であちこち行けるように成長していたことも、それ以外の大切なこともちゃんと覚えていることも確認できてよかった。
そして、親の自分の行動も改めて見直そう、と思った今年のお花見でした。
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